映画「アシュラ」 ~善人がいない世界での、悪人達の頂上決戦~



8月も下旬となった本日、皆様におかれましても、充実したお休みを過ごされたと思います。

本日の弊社ですが、長年お世話になっている方との商談を進めさせて頂き、

賃貸の更新のお客様が二組ご来社され、草刈りのご用命を2件頂き、

その他賃貸物件の家賃の賃料訂正などの動きも有り、不動産が動いている事を感じています。

もちろん、オリンピックに向けての、一宮町や周辺への注目や期待などは集まっていると思いますが、

一方で売主様や、貸主様にご注意頂きたいことは、注目度は確かに集まっていますが、

同時に市場価格を見る買主様や、借主様の目も、かなりシビアになっており、慎重になっている点です。

弊社と致しましては、ビッグデータを基に計算して、なるべく適切な相場の取引を進めておりますので、

不動産の価格査定で、何かお困りの事などございましたら、お気軽にご連絡いただけたらと思います。

 

さて、今日は今年の韓国映画「アシュラ」について、書きます。

この作品につきましては、「コクソン」「お嬢さん」と一緒に観たのですが、点数を付けると、

「コクソン」95点 「お嬢さん」94点 「アシュラ」90点だったので、ついついレビューが遅くなってしまったのですが、

90点でも、並みのハリウッド映画は遥かに越えているレベルの作品です。

 

(ヤフー映画から引用)

(解説)

架空の都市を舞台にした韓国発のノワールムービー。悪の限りを尽くす市長、彼に翻弄(ほんろう)される刑事、

市長の犯罪を白日の下にさらそうとする検事たちが激しくぶつかり合うさまを追う。

メガホンを取るのは、『FLU 運命の36時間』などのキム・ソンス。

『ベテラン』などのファン・ジョンミン、『グッド・バッド・ウィアード』などのチョン・ウソンをはじめ、

チュ・ジフン、クァク・ドウォンらが顔をそろえる。激しい展開に圧倒される。

(あらすじ)

アンナム市の市長という立場を利用し、利権をむさぼろうと犯罪を繰り返すパク・ソンべ(ファン・ジョンミン)。

刑事のハン・ドギョン(チョン・ウソン)は、末期ガンに侵された妻の治療費稼ぎを理由にその処理を請け負っていた。

市長検挙に燃える検事キム・チャイン(クァク・ドウォン)と検察捜査官ド・チャンハク(チョン・マンシク)は、

彼を脅迫して捜査への協力を迫る。市長と検事たちの間に立たされたドギョンだが……。

(以上ヤフー映画より引用)

 

とにかくこの映画は、善人らしい善人がほとんど出てきません。あえて言えば主人公の奥さんくらい?

構図としては、小悪人(ヤク中)vs 悪人(主人公 汚職刑事・主人公の後輩)vs 中悪人(凶悪な検事)vs 極悪人(市長)となっており、

妻の治療費を稼ぐために、極悪人の市長の手下となって、証拠隠滅や汚れ仕事を行っている主人公は、

市長の失脚を行うために手段を選ばない凶悪な検事からも、罪をネタに脅され、市長のスパイを行う事をやらされます。

冒頭から、市長にとって不利な証言を裁判でおこなう予定の証人に、未成年を抱かせて、淫行罪の罪を負わせて、黙らせるヤク中と、

それを暴力的に命令する主人公のシーンから始まり、凄惨な暴力から始まって、そして凄惨な暴力によって終わります。

ジャンルとしては、「冷たい熱帯魚」の様に、暴力から始まり暴力で終わり、正義やら善やらモラルやらを、鼻で笑うという、ノワール物になります。

 

↑悪の頂点(市長)

 

見どころとしては、暴力描写全てになりますが、特に秀逸なのはカーチェイスのシーンで、怒りでほとんど前が見えていない主人公が繰り広げる、

悪夢のような雨の中での追走劇は、観ているこっちが息がつまり、肌寒くなるほどでした。

主人公がガラスのコップを口で噛み砕いて、ガラスの破片で口の中を切りながら、市長と対峙するシーンは、凄惨ながらも、悲壮感と不快感に溢れており、

のちのち起こる出来事の前触れとしても、ろくな事にならないと暗示していたと思います。

このあたりの暴力描写を、文章にしても、いまいち上手く伝わらないと思いますので、是非、DVDで観て下さい。

 

また、見どころとしては、とにかく食べ物を食べるシーンが多かった事でした。

主人公と、主人公の後輩が定食屋で一緒に食べるシーン、検事側が打ち合わせをしながら食べるシーン、市長の食事シーンなど。

悪事を行うにも、まずは食ってからという意味もあるのでしょうが、この作品の場合は、食べる事と残酷性と暴力性が直結しているという暗示でもあったと思います。

最近、ネットフリックスで「東京喰種」のアニメ版を観たのですが、この作品でも人間側が定食を食べるシーンや飲みに行くシーンなどがとにかく多く、似ていると感じましたね。

 

よく食べ、よく殴り、よく他人を貶める事に頭を使い、他人と比較して100倍の、自己顕示欲、権力欲、金銭欲を満たそうとする怪物達を相手に、

そうでない人達はどうすれば良いのか、それは観た人達自身に、問われます。

そうした意味でも、底意地が悪い、素晴らしい映画作品だ思います。

 

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